こちらの記事ではPMP(Project Management Professional)資格の勉強方法について記載しています。
※Project Management Professional (PMP)はプロジェクトマネジメント協会(Project Management Institute, Inc.)の登録商標です。
実際に行ったPMP試験に向けた勉強方法について
私が試験勉強をした期間は2ヵ月ほどです。
その期間で実際に行った勉強方法についてまとめておくので、これからPMP資格取得を検討されている方の参考になれば幸いです。
前提としては以下の通りです。
- 平日は仕事をしている
- 勉強当時のPMBOKは第7版
PMP試験のスケジュールについては以下の記事に記載しています。
勉強手順
勉強の方法と順番は以下の通り。
- 試験の概要、参考書を斜め読みする
- PMI Study Hall PMP Essentials の模擬問題(日本語)のミニ試験、模擬問題を解く
- 問題の解説を確認し、chatGPTに質問する
- 研修先のeラーニングのアジャイル分野の問題集を解く
- 不安な分野はPMI Study Hall PMP Essentialsの練習問題を日本語訳しながら解く
- 問題の解説を確認し、chatGPTに質問する
- タイマーを使用し、以降は問題を解くスピードを上げていく
- PMI Study Hall PMP Essentialsの模擬問題、研修先のeラーニングの模擬問題を繰り返し解く
- 気分転換で参考書の模擬問題も解く
これで試験に合格しました。
勉強に使用したもの
試験勉強に使用したものや利用方法について紹介します。
試験の概要
PMIが規定している前提や基盤となる考え方が記載されています。
必須ではないですが、試験の内容を把握したい方は読んで損ではないと思います。
試験内容の概要
いわゆるECO(examination content outline)というものです。
試験概要が記載されています。
出題の内容はPMBOKがメインですが、出題範囲はECOに記載されています。
PMBOKの内容が隅々まで出題するわけではないということを認識できていればよいです。
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試験内容の概要
www.pmi.org
倫理・職務規定
マネジメントする上での倫理や規定について記述されています。
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倫理・職務規定
www.pmi.org
倫理的意思決定の枠組み
意思決定をする際の順序が記載されています。
個人的には確認しておいたほうがいいと思っています。
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倫理的意思決定の枠組み
www.pmi-japan.org
試験勉強で活用したもの
試験勉強に使用した参考書や問題集を紹介します。
PMP完全攻略テキスト
参考書です。
全て暗記する必要は無く、専門用語を確認する際に索引から探すことがメインでした。
とは言っても全ての用語を網羅しているわけではないので、載っていない場合はchatGPTに説明してもらいました。
本の半分は模擬問題となっており、PCを使わず勉強したいときは模擬問題を解いていました。
PMI Study Hall PMP Essentials
主に利用していた問題集です。
PMIが提供しているサービスなので本試験に近い内容で出題されています。
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PMI Study Hall PMP Essentials
www.pmi.org
しかし価格は高めです。
50米ドル(購入時:8,139円)です。
PMI Study Hall には練習問題と模擬試験があります。
日本語対応しているのが模擬問題のみなので、先に模擬問題を解いていきます。
フレグランス試験とミニ試験の正答率が70%を超えるまで繰り返し解きます。
私は勉強期間が限られていたので正答率70%以上にしていますが、安定感が欲しければ80%超えを目指したほうがいいです。

模擬問題を一通り解いた上で不安な分野がある場合は練習問題を解きましょう。
練習問題にはカテゴリごとに出題される問題がまとめられています。
注意点ですが、練習問題は英語のみ対応しています。
日本語の問題は存在しないので、英語の問題をchatGPTで翻訳してから解答することになります。
手間がかかりますが、より多くの問題を解きたい場合は有効な手段となります。

chatGPT
ChatGPTとは、米OpenAI社が開発した、対話型のAIチャットサービスです。
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https://chatgpt.com/
chatgpt.com
chatGPTの用途は2つあります。
- 英語の問題を日本語訳する
- 問題の解説をしてもらう
英語の問題を日本語訳する
chatGPTに英語の問題文を送信し、日本語の問題文へ変換してもらいます。
DeepLなどの翻訳ツールでもよいのではと思われるかもしれませんが、翻訳ツールだとPMPの専門用語が正確に翻訳されません。
翻訳ツールだと「stakeholder register」は「ステークホルダーレジスター」に翻訳されます。
こちらとしては「stakeholder register」は「ステークホルダー登録簿」に翻訳してほしいと思っています。
こちらの要望通りに翻訳してほしいので、今回はchatGPTに翻訳辞書を読み込ませた上で日本語訳をしてもらっています。
翻訳後に疑問点があれば、そのままchatGPTに質問しやすいという利便性もあります。
chatGPTへの指示一覧(クリックで表示します)
■ 英語の問題文の前に貼り付ける
PMP資格に関する内容であることを前提としてください。
以下の英文を全て日本語に翻訳してください。
問題文も翻訳し、省略しないでください。
選択肢を必ず改行して記載してください。
注釈は入れないでください。
答えは書かないでください。
■ 日本語訳された選択肢が改行できていない場合
「選択肢を必ず改行して記載してください。」と指示したはずです。
選択肢だけではなく全部翻訳してください。
■ 翻訳辞書を登録する
「stakeholder register」は「ステークホルダー登録簿」に翻訳してください
「lessons learned repository」は「教訓リポジトリ」に翻訳してください
「product owner」は「プロダクトオーナー」に翻訳してください
「scope statement」は「スコープ記述書」に翻訳してください
「project charter」は「プロジェクト憲章」に翻訳してください
「team charter」は「チーム憲章」に翻訳してください
「management reserve」は「マネジメント予備」に翻訳してください
「contingency reserve」は「コンティジェンシー予備」に翻訳してください
「resource management」は「資源マネジメント」に翻訳してください
「resource management」以外の「resource」は「リソース」に翻訳してください
「Smooth/accommodate」は「鎮静/適応」に翻訳してください
「collaborating」は「協力」に翻訳してください
「benefits Management」は「ベネフィット・マネジメント」に翻訳してください
「Forming」は「成立期」に翻訳してください
「Storming」は「動乱期」に翻訳してください
「Norming」は「安定期」に翻訳してください
「Performing」は「遂行期」に翻訳してください
「Adjourning」は「解散期」に翻訳してください
「working agreement」は「ワーキングアグリーメント」に翻訳してください
「manage quality」は「品質マネジメント」に翻訳してください
「control quality」は「品質コントロール」に翻訳してください
「issue log」は「課題ログ」に翻訳してください
問題の解説をしてもらう
PMP問題には解説が付いてますが、基本的には数行のみの解説であることが多いです。
どうしてこの選択肢が正解になるのか。
解説を読んでも納得いかないことが多いので、解説の追加をchatGPTにしてもらいます。
利用方法について。
まず問題文と解答をまとめてchatGPTに読み込ませます。
読み込ませた上で質問、または自分の認識と合っているかを問いかけます。
そうするとchatGPTが問題文と解説を考慮した上で回答してくれます。
上記を繰り返し、問題の意図と自身の解釈との整合性を合わせていきます。
問題の意図についてですが、巷では「PMIイズム」という思想があるようです。
「PMIイズム」というPMI側の意図に沿った解答ができるように、chatGPTに補助をしてもらいました。
注意点としては、chatGPTを信頼し過ぎないでください。
chatGPTは100%正確な回答ができるわけではありません。
たまに指示を無視したり、誤った回答をしたりということが発生します。
本当に正しい回答なのかを見極める姿勢は保っておきましょう。
研修先から提供された問題集
35時間研修で利用した会社からeラーニングが提供されていたので、そちらも利用しました。
問題数が600問くらいはあったので10問区切りで解いていました。
タイマー
PMPは問題数180問、試験時間は230分です。
問題を解くペースを誤ると終盤の問題を解く時間が無くなってしまいます。
私は問題文を読んで理解することが遅いほうなので、油断すると1問に長い時間をかけてしまいます。
ということで問題を解くスピードを上げるためにビジュアルタイマーを買いました。
ビジュアルタイマーは残り時間が数字表記だけでなくゲージも表示されます。
ゲージ表記があることで、ぱっと見で何となく残り時間の割合がわかります。
アプリでもいいのですが、私はスマホのロックを解除する手間をかけたくなかったので物理的なタイマーを使用しました。

あまり勉強に活用できなかったもの
ここからは購入してみたけど活用できなかったものについて紹介します。
Udemy
Udemyとは、米Udemy社が運営するオンライン動画学習サイトです。
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Online Courses - Learn Anything, On Your Schedule | Udemy
Udemy is an online learning and teaching marketplace with over 250,000 courses and 73 million studen ...
www.udemy.com
このサイトにPMP試験対策の模擬問題集というコースが存在していました。
試験合格者がオススメしていたこともあり、試験勉強を始める一ヵ月前に模擬問題集を購入しました。

購入して一か月後、試験勉強を始めようと思い問題集のリンクを押下しました。
しかし模擬問題集は表示されず、コース自体が無くなっていました。

どうやら規約違反か何かで削除されてしまったようです。
私はこちらの問題集をメインに進めようと思っていたので困りました。
その後の対応ですが、問題集は「PMI Study Hall PMP Essentials」を利用することでどうにかしました。
削除された問題集は一度も利用したことがなかったので返金対応となりました。
PMBOKガイド 第7版
PMBOKガイド 第7版(日本語訳)はPMI日本支部に入会すると無料でダウンロードできます。
基本的に日本支部に入会する必要はありません。
しかし私は「せっかくマネジメントの勉強をしているのだからPMBOKも確認しておこう」と思い、入会してみました。
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一般社団法人 PMI日本支部
PMI日本支部は、世界最大のプロジェクトマネジメント協会(PMI)の日本における支部として、日本国内でのプロジェクトマネジメントの普及を目的に、さまざまなステークホルダーと共に活動しています。
www.pmi-japan.org
PMBOKガイド自体はAmazonなどで購入することもできますが、1万円を超える高額な商品です。
そちらを購入するよりは入会費のほうが安いので、PMBOKガイドが欲しい場合は入会することをオススメします。

PMP試験勉強アプリ
iOSでPMP関連のスマホアプリを探してみたのですが、活用できそうなものを見つけることができませんでした。
アプリが全くないわけではないのですが、出題内容がPMBOK第7版より過去の版に対応しているようでした。
現在の出題形式で勉強することができないのでスマホアプリを利用することは諦めました。
試験内容の変化に合わせて勉強する必要がある
私が勉強に利用したもの、勉強の順番は一通り紹介しました。
紹介したものから一つでも参考になれば幸いです。
ここからは試験勉強については注意点です。
私が勉強した期間は2025年1月~3月です。
この期間は第7版向けの勉強方法となっています。
2025年はPMBOK第8版が適用されるそうなので、第7版向けの勉強方法が有効でなくなる可能性があります。
PMBOK第8版が適用されると、参考書はPMBOK第8版に準拠したものを選ぶことになります。
PMI Study Hall PMP Essentials はPMIが提供しているものなので、自動的に第8版に合わせた問題集になるかもしれません。
ただし現在のように模擬問題が日本語対応するかは不明です。
試験勉強をする際は最新の試験情報を確認し、適当な勉強方法を選択しましょう。
では、ここまでありがとうございました。