以下のインド旅行関連の記事です。
2023年11月、インドをツアー旅行で訪れた際に目にした交通事情について、現地での体験をまとめました。
今回のツアーは少人数制で、1グループにつき専任のガイドと運転手が付く形式だったため、移動中にガイドの方から多くの現地情報を聞くことができました。
インドの交通事情は、日本とは大きく異なる独特な文化を持っています。
実際に現地で体験したエピソードを通して、その実情を伝えようと思います。
クラクションが鳴り響く道路
日本ではあまり聞くことのないクラクションの音が、インドでは絶え間なく響いています。
これは単なる騒音ではなく、安全運転のための重要なコミュニケーション手段です。
インドでは車間距離という概念がほとんど存在せず、常に車同士がぶつかりそうなギリギリの距離を保って走行しています。
2車線の道路に3台の車が横並びになることも珍しくありません。
前後の車間距離も極めて短く、そんな中でもかなりのスピードで走行するため、自分の存在を周囲に知らせるクラクションが欠かせないのです。
滞在中、他の車同士が接触する場面は目にしましたが、私たちの車は一度も事故に遭うことがありませんでした。
これは現地の運転手の高い技術の賜物だと感じました。
ガイドの方によると、最近の日本車は車間距離が近くなると自動で緊急停止してしまう機能があるため、インドの道路事情には適さないとのことでした。
バイクの多人数乗車という日常
インドの街中でよく見かけるのが、1台のバイクに複数人が乗っている光景です。
ヘルメットを着用している人はほとんどいません。
特に印象的だったのは、夫婦と子供の3人乗りです。
運転している男性は普通にまたがっているのですが、後ろに乗っている女性は横座りの状態で、さらに子供を抱えていることもありました。

4人の成人男性が1台のバイクに乗っている場面も目撃しました。
全員が背筋を伸ばし、同じ姿勢でバイクにまたがったまま移動している様子、バランス感覚の良さに驚かされました。

ガイドの方によると5人乗りのバイクも存在するそうですが、今回の旅行では見ることはできませんでした。
様々な車の状態
インドの車検制度について詳しくは分かりませんが、日本では到底公道を走れないような状態の車が普通に運行されています。
バックミラーやドアが取れていたり、車体がボコボコに凹んでいたりする車も珍しくありません。
バスも同様で、車体の凹みは日常的な光景です。

バスには種類があり、黄緑色のバスは空調設備がない代わりに料金が安く、オレンジ色のバスは空調が効いている分、料金が高く設定されているそうです。
積載制限という概念
日本の基準では明らかに積載オーバーと思われる車両も頻繁に見かけました。
最も多かったのは干し草を山のように積んだ車です。車の形が分からなくなるほど高く積み上げられています。
学校の送迎車と思われる車両に、定員をはるかに超える数の子供たちが乗っている光景もありました。
これは送迎費用を安くするため、多くの子供を一度に運ぶ方式が取られているからだそうです。
車の逆走
都市部では見られませんが、警察の巡回が少ない郊外では逆走する車両もありました。
ただし車道そのものではなく、車道の外側部分を逆走するため、正面衝突のリスクは比較的低そうです。

道路を共有する牛たち
車道の脇には牛がのんびりと歩いています。
牛は幸運の象徴とされており、車でぶつけてはいけない存在です。
これらの牛は野生ではなく、ちゃんと飼い主がいるようです。
朝に放牧され、夜になると自分で飼い主の元に帰ります。

信号待ちの商機
渋滞や信号待ちで車が停止すると、物売りの人たちが車の窓をノックして商品を売りに来ます。
信号が青になると車が動き出すため、この短時間で商売がされています。
ガイドの方によると、意外に購入する人も多いそうです。
花束を妻のために、バルーンを子供のために買う人がいるとのことでした。
私が体験したのは、女性が青色インクのボールペンを売りに来ました。
私は購入しないので無視です。
信号が青になると物売りは車から離れていきます。

私は売られているボールペンが青色インクであることに興味を持ちました。
なぜなら土産屋のボールペンも青色ばかりだったからです。
ガイドの方によると、インドではボールペンといえば黒ではなく青が一般的だそうです。
些細ですが、文化の違いを感じる瞬間でした。
横断歩道がない場所での道路横断
インドの場所によっては横断歩道が十分に設置されていません。
その場合は車の間を縫うように歩いて道路を横断することになります。
ガイドの方によると、安全に渡るコツは「ゆっくりと、しかし止まらずに歩く」ことだそうです。
急いで渡ろうとすると飛び出しとなってしまい危険ですが、ゆっくりと一定のペースで歩けば、車の運転手も予測して避けてくれるとのことでした。
実際に歩いて道路を横断する場面に遭遇しましたが、ガイドの指示がなければとても一人では渡れなかったと思います。
都市部での交通管理
空港周辺などの都市部では防犯カメラが設置されており、交通違反が記録されると後日自宅に罰金の通知書が届くシステムになっているそうです。
違反者は通知書を持って役所まで支払いに行く必要があり、この手間により違反を防止しているとガイドの方が話していました。
こうした管理の行き届いた地域では、車検に通らないような車両は少なく、バイクも一人乗りでヘルメットを着用している人が多く見られました。
おわりに
今回のツアーでは片道2時間の移動が頻繁にありましたが、車内でガイドの方と現地の文化について話を聞けたのは貴重な体験でした。
少人数制のツアー形式だからこそ、こうした文化交流ができたのだと思います。
インドの交通事情は日本とは大きく異なり、文化の違いを肌で感じることができる興味深い体験でした。
個人旅行では危険も伴うため、初めてインドを訪れる方にはガイド付きのツアーをお勧めします。
現地の人々の生活に根ざした交通文化を知ることで、インドという国への理解が深まった貴重な体験となりました。